
BLOG
ブログ
自律神経失調症に処方薬はある?|自律神経失調症について
- カテゴリ:
- 全身のお悩み

公開日:2025年05月07日
更新日:2025年05月07日
このブログを監修している鈴木貴之は国家資格であるはり師免許、きゅう師免許、柔道整復師免許、心理カウンセラーを取得した資格保有者です。
目次
- 1 自律神経失調症とは
- 2 明確な精神症状がない場合に診断される
- 3 多系統萎縮症の症状やうつ病などと見分ける必要がある
- 4 自律神経失調症の原因
- 5 環境要因によるストレスの増大
- 6 乱れた生活習慣
- 7 ホルモンバランスの崩れ
- 8 自律神経失調症の症状
- 9 自律神経失調症の精神症状について
- 10 自律神経失調症の身体症状について
- 11 自律神経失調症に発症しやすい人の特徴
- 12 ストレスが多い環境にいる人
- 13 生活習慣が乱れている人
- 14 ストレスに対して弱い体質の人
- 15 自律神経失調症に対する西洋医学的な治療法
- 16 薬物療法
- 17 ベンゾジアゼピン受容体作動薬・非ベンゾジアゼピン受容体作動薬
- 18 自律神経を調整する薬物
- 19 減薬や断薬も治療計画に加える
- 20 精神療法
- 21 自律神経失調症セルフチェック
- 22 自律神経失調症でよくある質問
- 23 自律神経失調症は気持ちが甘えているだけなのでしょうか
- 24 自律神経失調症を判断する基準はありますか
- 25 自律神経失調症は自然治癒または自己治療できますか
- 26 自律神経失調症でお悩みの方はご相談ください
- 27 当院で患者様の治療実績はこちらから

自律神経失調症とは

自律神経とは脳の視床下部にある交感神経と副交感神経からなる神経の総称です。
主に呼吸や食べ物の消化、体温の調節など、人間が生きるために無意識に行っている機能を調節する働きを持っています。
自律神経失調症はこれらの神経調節が崩れることで発症するといわれています。
明確な精神症状がない場合に診断される
自律神経失調症には、明確な診断基準はありません。
様々な症状に対する検査を行い、身体的な異常と精神症状が認められない場合に自律神経失調症と診断されます。
まれに、新起立試験と呼ばれる、自律神経の働きを調べる検査を用いて、診断を行うこともあります。
多系統萎縮症の症状やうつ病などと見分ける必要がある
パーキンソン病やレビー小体型認知症などの身体的症状や、うつ病や不安症などの精神症状として、自律神経症状が生じる場合があります。
自律神経失調症と自分で決めつけるのではなく、その他の可能性も考慮した診断が必要になるため、まずは専門医のもとでの診断が必要です。
自律神経失調症の原因

自律神経失調症の要因である神経バランスの崩れは、以下のような原因で起こるとされています。
環境要因によるストレスの増大
引越しや転職などの環境変化、音・気温・日光の当たり方などの自然環境による影響など、様々な環境要因によって生じるストレスは自律神経の乱れをを誘発する原因となります。
自律神経失調症は何か一つの大きなストレスだけでなく複合的にストレスが組み合わさることでも自律神経失調症が発症する原因となります。
こういった周囲を取り巻く些細なストレスも自律神経失調症を発症する主な原因と考えられています。
乱れた生活習慣
バランスの悪い食生活や乱れた睡眠習慣など、不安定な生活習慣から自律神経失調症の原因となる可能性が高まります。
身体のリズムを崩すような生活習慣は自律神経の乱れを引き起こします。
この悪習慣が自律神経失調症を引き起こすリスクを高めます。
ホルモンバランスの崩れ
生理痛や更年期障害による女性ホルモンの分泌減少からも自律神経失調症を引き起こす要因となります。
とくに更年期において慢性的な頭痛やめまい、ほてり感を感じる場合は、更年期障害への対処を意識することで、自律神経失調症の予防・改善につながる可能性があります
自律神経失調症の症状

自律神経失調症は全身を制御している自律神経の乱れから生じる疾患です。
そのため様々な症状を引き起こすリスクがあります。
以下に詳しく解説します。
自律神経失調症の精神症状について
自律神経失調症の精神症状は以下の通りです。
・興味が湧かない
・やる気が起きない
・憂鬱感
・不安感
・焦り
・イラつき
このような症状が起こります。
例えば、ストレスの影響から、体を興奮させる交感神経が優位に働いているとイライラや怒りっぽいなどの症状が生じます。
一方、副交感神経が優位になりすぎると、やる気が出なかったり、憂鬱感から抜け出せない状態となります。
自律神経失調症の身体症状について
自律神経失調症の身体症状は以下の通りです。
・倦怠感
・疲労感
・めまい
・肩こり
・息切れ
・頭痛
・しびれ
・残尿感
・多汗
・便秘
・下痢
・喉の違和感
・風邪のような症状
このような症状が起こります。
自律神経失調症に発症しやすい人の特徴

自律神経失調症に発症しやすい人の特徴について説明します。
ストレスが多い環境にいる人
自律神経失調症は、仕事や学校、私生活などで過度なストレスを受けている方に起こりやすい疾患といえます。
・転職先の同僚と馬が合わない
・部署移動で過度に仕事を期待されている
・タスクの締め切りに対するプレッシャーが強い
上記のように環境の移り変わりによって過度なストレスを無意識に感じていることがあります。
その他にも家族からの強い批判を受けたり、常に緊張状態で生活しているなどの場合も、心が休まる時間もなく自律神経を乱す原因となります。
生活習慣が乱れている人
・夜型の人
・夜勤の多い人
・子どもの頃から夜更かしが多い人
以上のような不安定な生活習慣をしている人は、体内リズムが乱れやすく、自律神経失調症に発症しやすい人だといえます。
できる限り、身体のリズムを整えるような生活習慣を心がけることで、自律神経失調症を予防できる場合があります。
ストレスに対して弱い体質の人
生まれながらの性質として、ストレスに弱い方もいます。
・人の頼み事を断れない
・他人の目を気にしてしまう
・感情のコントロールが苦手
以上のようなストレスへの対処がうまくできない人は、自律神経失調症に発症しやすい人だといえます。
とくに、相手に対する依存心が強い場合や、他人との信頼関係をうまく構築できないと感じている人は自律神経失調症になりやすい傾向にあります。
自律神経失調症に対する西洋医学的な治療法

自律神経失調症を改善するうえで最も重要なのが適切な休養です。
自律神経失調症の発症の原因となったストレス源から距離を置き、十分な休息を確保することで、心と身体をリフレッシュさせながらストレスへの耐性を強化するようにします。
ストレス耐性を改善できれば、自律神経失調症の症状を改善しながら再発防止も期待できます。
薬物療法
自律神経失調症の薬物治療では、うつ症状や不眠症状の改善を目的として使用されます。
治療薬には強い副作用のあるものも存在するため、症状や状態に合わせた処方が重要です。
自律神経失調症の治療薬には、次のようなものがあります。
ベンゾジアゼピン受容体作動薬・非ベンゾジアゼピン受容体作動薬
【効果】
脳の興奮などを抑えることで不安、緊張、不眠などを改善する働き
【具体例】
・アルプラゾラム(ソラナックス)
・ジアゼパム(ホリゾン、セルシン)
・タンドロスピロンクエン酸塩(セディール)
自律神経を調整する薬物
【効果】
脳(中枢)に作用し自律神経系の乱れを調整する働き
【具体例】
グランダキシン(トフィソパム)
減薬や断薬も治療計画に加える
自律神経失調症で現れる症状は人によって様々だからこそ、薬物療法を希望される方は専門医の指導のもと症状や状態を見極めて適切に治療薬を処方してもらうようにしましょう。
治療計画を立てる際には、漫然とした薬物の服用を防ぐためにも減薬、断薬も治療計画、目標として決めておくことが重要です。
これにより薬物の副作用、離脱症状などを予防します。
精神療法
認知行動療法は人々の思考や行動が感情や心理的な問題にどのように関連しているかを客観的に把握する療法です。
この療法によって自律神経失調症を引き起こす考え方の癖を修正させます。
自律神経失調症に悩んでいる多くの方は否定的な思考や行動パターンを持っている傾向にあります。
自己否定的な考え方、無力感、希望の喪失などを持ってしまう癖を前向きな捉え方に変えていくことで、抑うつ症状を起こすきっかけとなる後ろ向きな思考の連鎖から抜け出すことができます。
自分のネガティブな考え方を変えるには、まず自分を理解し受け入れることが大切です。
「今ここにある自分」を意識して現実を受け入れながら、感情に左右されない心を養うマインドフルネスの考え方を取り入れることで、自律神経失調症の再発を防ぐのに効果的です。
自律神経失調症セルフチェック
・めまいや立ちくらみがひどい
・常に憂うつで不安な感覚がある
・手足が冷たくて眠れない
・慢性的に疲労感や倦怠感がある
・お腹の調子が悪く便通が良くない
・仕事や家事などに身体が追いつかない
【診断基準】
①これらの症状が2つ以上当てはまる
②2週間以上毎日のように繰り返されている
③普段の生活に支障がある
上記の症状が診断基準①~③に当てはまる場合は自律神経失調症の可能性があります。
自律神経失調症かもしれないと感じた際には、早期改善のためにも迅速な治療をおすすめします。
自律神経失調症でよくある質問

当院にご来院される自律神経失調症の方から受けるよくある質問をまとめました。
以下の通りです。
自律神経失調症は気持ちが甘えているだけなのでしょうか
自律神経失調症は、気の持ちようや甘えではありません。
強いストレスにより自律神経が乱れてしまうことで各器官の機能がうまく働かなくなることで体調不良が起こります。
自律神経失だけでなくホルモンバランスの乱れでも以下の不調を起こします。
・不安感
・緊張感
・悪心
・倦怠感
・多汗
・頭痛
・動悸
・息苦しさ
・不眠
・手足の痺れ
健康な状態に戻るためには、十分な休養が不可欠です。
自律神経失調症を判断する基準はありますか
自律神経失調症の診断には具体的な基準が存在しません。
症状に応じて異なる検査が実施されます。
たとえば、動悸がある場合には心電図を用い、胃腸の痛みがある場合には胃カメラが行われます。
臓器に異常が見つからなかった場合に、自律神経失調症と診断されることがあります。
自律神経失調症は自然治癒または自己治療できますか
自律神経失調症は、自然治癒や自己治療によって完治するのは難しい疾患です。
適切な専門治療とケアが必要で、個人の判断で不適切な治療を行うと症状が悪化する可能性があります。
自己判断を避け、専門医の指導のもとで適切な治療法を見つけることが重要です。
自律神経失調症でお悩みの方はご相談ください
自律神経失調症は放置するとうつ病や不眠症など精神疾患に進展してしまう可能性があります。
そのため少しでも不調を感じたらすぐに心身のケアが大切です。
東洋医学では昔からこのような病気になる前のメンタル不調を「未病(みびょう)」と呼び、この未病を治療することを「未病治(みびょうち)」と呼んで治療をする対象にしていました。
「病気になる前から予防のためにメンタルヘルスをケアする」という考えは東洋医学ならではの考えです。
ぜひ、心の不調を感じている方は東洋医学を取り入れてみてはいかがでしょうか。
当院で患者様の治療実績はこちらから

実際に当院ご来院になって改善された患者様の声と改善までの経過を報告します。
同じようにつらい思いをされている方の役に立てるのならばと皆さん快く掲載を許可頂きました。
これを読まれている患者様のご参考になれば嬉しく思います。
下記のリンクから別ページでご覧ください。


鍼灸院コモラボ院長
ブログ管理・編集者
【国家資格・所属】
鍼灸あんまマッサージ指圧師、柔道整復師、心理カウンセラー、メンタルトレーナー 治療家歴14年、日本東方医学会会員、脈診臨床研究会会員
神奈川県の鍼灸整骨院にて13年勤務(院長職を務める)
現在、JR三鷹駅北口に自律神経専門の鍼灸院コモラボにて様々な不調の患者様に鍼灸治療を行っている。
【SNS】
Youtube , Instagram , X(Twitter)
この症状に対する質問