エアコンでめまいや吐き気｜クーラー病（冷房病）は自律神経失調症

公開日：2025年06月18日
更新日：2025年06月18日

クーラー病（冷房病）について解説します

夏になると、どうしてもエアコン（クーラー）の使用頻度が高くなります。
暑い夏を乗り切るためにエアコンはなくてはならない存在です。
しかし、使いすぎることによってクーラー病（冷房病）を起こしてしまう可能性があります。

このエアコンを使いすぎることによる健康への影響について知っている方でも「クーラー病（冷房病）」について詳しくない方も多いと思います。
今回は「エアコンでめまいや吐き気｜クーラー病（冷房病）は自律神経失調症」と題してクーラー病の症状や対処法などについて詳しく解説していきます。

クーラー病（冷房病）は自律神経の乱れで起こる

クーラー病とは暑い屋外と冷房の効いた涼しい屋内の気温差によって体調を崩す病気のことをいいます。
気温差によって体温の調節機能に変動が起きることで自律神経への負担が大きくなり発症します。

人の体温は自律神経によって調節されていますが、自律神経は体温だけではなく、様々な器官の機能を調節しています。
そのため、自律神経の働きに不具合が生じると様々な症状を引き起こしてしまいます。

クーラー病（冷房病）は夏の自律神経失調症である

自律神経失調症とは、体の機能を維持する上で必要な交感神経と副交感神経のバランスが乱れることで様々な症状を起こる病気をいいます。
クーラー病は屋内外の気温差によって、体温を調節する自律神経がダメージを受けて自律神経のバランスが崩れて体調が悪化するものです。
そのためクーラー病は暑い夏に起こる病気であるため、夏の自律神経失調症ともいわれています。

クーラー病（冷房病）の主な症状

クーラー病は自律神経失調症とも言われていることから、多くの症状の原因になります。
それぞれの症状について解説していきます。

発熱や微熱などの体温異常

屋内外の気温差に適応するために人の体は自律神経による体温調節が生理機能として備わっています。
この自律神経は交感神経と副交感神経から構成されています。
交感神経は興奮やストレスを感じた時に主に働きます。

・発汗
・血管の収縮
・立毛筋の収縮
・毛穴を引き締める

これらの働きは体温の上昇に関係しています。

逆に副交感神経はリラックスした状態や休息時に主に働き、血管を拡張させることで体温を下げる作用があります。
体温はこのように交感神経と副交感神経によって調整されます。

クーラー病では自律神経のバランスが崩れることで、体温を下げる働きが機能しなくなり微熱や発熱などをきたす場合があります。
また、逆に体温を上げる調節が上手く働かず、手足の冷えを感じやすくなる場合もあります。

頭痛とめまい

頭痛の原因は肩こりによる筋緊張型頭痛、自律神経の乱れによる片頭痛などがあります。
同様にクーラー病も頭痛の原因となります。
寒暖差が激しい環境にいると自律神経の作用によって急に血流が変化します。
その結果、頭痛やめまいなどの症状を起こすことがあります。

吐き気

吐き気の症状は消化器機能の異常などによって起こります。
クーラー病によって自律神経の調節に不具合が起こると立ち上がった時などに急にめまいや低血圧を起こすことがあります。
また胃腸の働きが低下することもあるためこれらの症状に付随して吐き気も起こります。

咳

クーラー病は風邪に似た症状がでることがあります。
クーラーの使いすぎは鼻やのどが乾燥してしまいます。
鼻やのどの粘膜が乾燥するとクーラーからでるホコリなどによるアレルギーの反応で咳がでてしまうこともクーラー病の1つの症状です。

食欲不振や下痢

自律神経は胃腸の消化吸収にも作用します。
特に副交感神経は胃腸への血流を増加させて消化吸収を促します。
そのため自律神経のバランスが崩れると消化不良が起こり、食欲不振や下痢などの症状が出現します。

倦怠感

クーラー病によって自律神経のバランスが乱れると、体は体温調節のためにエネルギーを消耗してしまいます。
クーラーの効いた涼しい環境にいることで末端の血行不良が起こり、だるさや疲れやすさなどの症状が出現します。

クーラー病（冷房病）の重症化について

クーラー病では多くの症状がみられますが、放置しておくと進行していき重症化していく場合があります。
ここからクーラー病の症状の進行と重症化について解説していきます。

初期症状は手足の冷え

初めの症状は末梢血管が収縮することによって起こります。
クーラー病によって体が冷え始めると体は体温を保つために、手足の末梢血管が収縮します。
そのため、手足の冷えが自覚症状として起こります。
この時期で早めに体を温めることで症状が改善します。

悪化すると内臓が冷える

この手足の冷えが進行すると体の深部である内臓が冷えて起こる症状が出現します。
この症状は主に腰から下全体に冷えを感じるようになり、内臓の機能にも悪影響が出ます。
症状としては胃腸障害が出現しやすくなります。

ふらつきやめまいが起こる

内蔵の冷えがさらに悪化すると体全体に冷えを感じるようになります。
全身症状としてふらつき、めまい、疲労感などの症状が起こります。
この段階になると少しの冷えでも頭痛が出るなど生活に支障を来たしてしまいます。

クーラー病（冷房病）のチェックリスト

クーラー病は冷房が効きすぎることによって自律神経のバランスが崩れる病気です。
ここではクーラー病になりやすい人の特徴について解説していきます。
下記の①と②の条件に当てはまる方はクーラーを使い方に注意しましょう。

①普段から体温が低い
もともと冷え性がある方は冷房で体が冷えることによってクーラー病を発症するリスクが高い状態にあります。

②女性や高齢者
女性や高齢者は成人男性に比べて筋肉量が少ない傾向にあります。
筋肉は熱を発して体温を調節する作用があるので、女性や高齢者はクーラー病に特に注意することが必要です。

クーラー病（冷房病）に対する対処法

クーラー病は予防が最も大切です。
しかし、発症してしまった場合には早期対策が重要です。
ここからクーラー病の対処法について解説します。

温かい飲み物や温かい食事を摂る

冷房によって体温が低下していることが多いのがクーラー病です。
そのため温かい飲み物や食事を摂ることが有効です。
暑い季節で温かい飲食物の摂取が難しい場合は香辛料が効いた食事などを摂取すると体が温まる作用があるのでおすすめです。

暖かい場所で休息を取る

クーラーが効いた室内を避けて少し気温の高い場所で休息を取るようにしましょう。
急な気温の変化は体調不良の原因になるので、徐々に体を慣らすようにすることが重要です。

適度な運動を行う

軽い運動は体温の上昇や血行促進に役立ちます。
冷房病でも初期症状の時期に有効です。
頭痛や倦怠感など症状が強いときはウォーキングなどの軽い有酸素運動に留めておくようにしましょう。

適切な服装をする

室内と室外の温度差を考慮して、適切な服装で過ごすことが大切です。
涼しい室内では薄い上着を羽織るなどして体が過度に冷えないように注意しましょう。

長時間の冷房を避ける

長時間の冷房使用を避け、使用する際には室温を下げすぎないようにするのも重要です。

クーラー病は以上のような対処法で症状が軽減します。
しかし、症状が持続したり重度である場合は、専門医を受診することも検討してみてください。

冷房の冷気で起こるクーラー病は鍼灸で改善できます

このような冷房の冷気で起こるクーラー病は自律神経を調整する鍼灸治療で改善できます。
鍼灸には血流を促進させ、筋肉の緊張を解消させる効果があるだけでなく、自律神経の正常化も期待できます。

ぜひ、クーラー病による体調不良でお悩みの方は当院にご相談ください。

当院で患者様の治療実績はこちらから

実際に当院ご来院になって改善された患者様の声と改善までの経過を報告します。
同じようにつらい思いをされている方の役に立てるのならばと皆さん快く掲載を許可頂きました。
これを読まれている患者様のご参考になれば嬉しく思います。
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