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奥の歯がないところが痛い|虫歯ではない歯の痛み
- カテゴリ:
- 頭や顔の悩み

公開日:2025年07月15日
更新日:2025年07月15日
このブログを監修している鈴木貴之は国家資格であるはり師免許、きゅう師免許、柔道整復師免許、心理カウンセラーを取得した資格保有者です。
目次

非歯原性歯痛について詳しく解説します

「虫歯の治療は済んでいるのに歯が痛い」
「歯周病になっていないのに歯が疼く」
「歯だけでなく顎にも痛みを感じる」
このような歯や歯周組織に問題はないのに歯痛が生じることを「非歯原性歯痛」といいます。
今回は「奥の歯がないところが痛い|虫歯ではない歯の痛み」と題して、原因と対処法について解説します。
非歯原性歯痛を起こす8つの原因

虫歯や歯周病などがなく、歯や歯周組織には原因がない歯の痛みの状態を「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」といいます。
歯だけでなく、口の中や顎、顔などに痛みが発生する場合もあります。
非歯原性歯痛の主な原因については日本口腔顔面痛学会の「非歯原性歯痛の診療ガイドライン改訂版※1」で次の8つが挙げられています。
筋・筋膜の痛みによる歯痛

食いしばりや噛みしめ、歯ぎしりなど、上下の歯を持続的に接触させる癖がある人に多くみられる歯痛です。
痛みの原因である主な筋肉は以下の2つです。
・咬筋(こうきん)
・側頭筋(そくとうきん)
これら咀嚼に関わる筋肉です。
この筋肉を覆う筋膜にストレスがかかると、痛みの原因から離れた場所が痛くなる「関連痛(かんれんつう)」という反応で歯痛が起こります。
神経障害性疼痛(とうつう)による歯痛
神経障害性疼痛には「発作性」と「持続性」の2種類があります。
以下の解説します。
発作性神経障害性疼痛による歯痛
発作性神経障害性疼痛の一種である「三叉神経痛(さんさしんけいつう)」による歯痛で、激しい痛みが生じます。
発作性神経障害性疼痛とは、神経に障害が発生し過敏になることで、痛みの信号が出すぎてしまう状態をいいます。
持続性神経障害性疼痛による歯痛
代表的なものとして帯状疱疹性神経痛が挙げられます。
これは帯状疱疹の経過中にウイルスが神経を破壊することで生じる神経炎の痛みです。
ウイルスが歯の神経近くまで達することで歯痛が生じます。
その後遺症である帯状疱疹後神経痛によっても歯痛が生じる場合があります。
神経血管性頭痛による歯痛
片頭痛、群発頭痛、発作性片側頭痛といった神経や血管に起因した頭痛の関連痛で歯に痛みが生じる場合があります。
群発頭痛の場合は、顎関節に痛みを感じる特徴があります。
上顎洞(じょうがくどう)疾患による歯痛
鼻の空気の通り道である鼻腔とつながる副鼻腔の中で、最も大きな空洞が上顎洞です。
この部分に急性の炎症が起こると、関連痛や炎症がだんだんと広がって歯痛が生じることがあります。
主に副鼻腔炎(蓄膿症)で起こります。
心臓疾患による歯痛
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の場合、心筋からの関連痛として歯痛が生じることがあります。
多くの場合は胸痛と歯や下あごの痛みが同時に起こりますが、胸痛がなく歯痛だけが起こるケースもあります。
精神疾患または心理社会的要因による歯痛
うつ病や不安症、統合失調症などの精神疾患がある場合、ストレスの影響で原因不明の歯痛が起こることがあります。
特発性歯痛
X線画像など検査では異常が認められないものの、慢性的な痛みが続く原因不明の歯痛です。
70~80%が抜歯など歯科治療が起因していると考えられています。
その他のさまざまな疾患による歯痛
悪性リンパ腫や上顎洞腫瘍などの病気が原因で歯痛が生じる場合があります。また、虚血性心疾患だけでなく、動脈解離や心膜炎などの心臓病や、肺がんなどの胸部疾患の関連痛として歯痛や上部顔面痛が生じる場合もあります。
※1:https://jorofacialpain.sakura.ne.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/08/4038ebae14e5cbe40d14611b63e02a7b.pdf
歯痛は不安やストレスが大きく影響する

また、近年では「痛覚変調性疼痛(つうかくへんちょうせいとうつう)」も、非歯原性歯痛の一種と考えられています。
もともと痛覚変調性疼痛は「心因性疼痛」と呼ばれていました。
2021年に日本疼痛学会など痛み専門の国内8学会の連合により、この「痛覚変調性疼痛」という名称に決定されました。
最近の研究では病気やケガなど明らかな原因がなくても長引く痛みには、脳の神経回路の変化が影響していることがさまざまな研究で分かってきています。
痛覚変調性疼痛の場合は激烈な痛みになることはまずありませんが、慢性的な痛みがずっと続くのが特徴です。
また、不眠やうつ、食欲不振、感覚や味覚の異常といった症状を伴うことも特徴です。
※2:日本痛み関連学会連合用語委員会「Nociplastic painの日本語訳に関する用語委員会提案【要約版】」
筋・筋膜痛による歯痛はまずセルフチェックから

前述の8つの原因のうち、一般的によくみられるのは1の「筋・筋膜痛による歯痛」です。
上下の歯を持続的に接触させるクセのことを「TCH(Tooth Contacting Habit)」と呼びます。
このTCHは筋肉の緊張や疲労だけでなく、顎関節症や歯のひび割れ・欠け、頭痛、肩こりなどさまざまなトラブルを引き起こします。
食いしばりや噛みしめなどに心当たりがある人は、仕事の合間などに噛みしめて上下の歯が当たっていないかセルフチェックすると効果的です。
口は閉じた状態で、歯は当たらない程度に少し離れているのが健康的といわれています。
食いしばりや噛みしめがある方の予防法として洗面所、キッチン、職場のロッカーなどに「歯のチェック」と書いた貼り紙をしておきます。
この張り紙を見るたびにチェックして「上下の歯が当たっていたら離す」という方法もおすすめです。
この方法を続けることで上下の歯が接触することは自然と減っていくようになります。
また下を向いた姿勢でスマートフォンを見たり、前屈みでデスクワークを続けたりすることでも、上下の歯は当たりやすくなります。
逆に、背すじを伸ばした姿勢をキープすると、上下の歯が当たりにくくなります。
ストレス性の歯痛を改善するなら当院の鍼灸治療
このような原因不明と診断されたストレスによる歯の痛みは歯科医では治りません。
改善のためにはストレスによって過敏になった自律神経の乱れや筋肉の緊張を鎮静させる必要があります。
そのためには不具合が生じている中枢神経を正常な働きへと整える方法が大切です。
当院の東洋医学に基づく鍼灸治療はこのような中枢神経の不具合を正常に戻し痛みを完治させることができます。
「どこに行けば自分の不調を正しく改善できるかわからない」と治療方法でお悩みの方は当院にお気軽にご相談ください。
当院で患者様の治療実績はこちらから

実際に当院ご来院になって改善された患者様の声と改善までの経過を報告します。
同じようにつらい思いをされている方の役に立てるのならばと皆さん快く掲載を許可頂きました。
これを読まれている患者様のご参考になれば嬉しく思います。
下記のリンクから別ページでご覧ください。


鍼灸院コモラボ院長
ブログ管理・編集者
【国家資格・所属】
鍼灸あんまマッサージ指圧師、柔道整復師、心理カウンセラー、メンタルトレーナー 治療家歴14年、日本東方医学会会員、脈診臨床研究会会員
神奈川県の鍼灸整骨院にて13年勤務(院長職を務める)
現在、JR三鷹駅北口に自律神経専門の鍼灸院コモラボにて様々な不調の患者様に鍼灸治療を行っている。
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