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体に熱がこもるときの対処法|脳のオーバーヒート
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- 頭や顔の悩み

公開日:2025年06月19日
更新日:2025年06月19日
このブログを監修している鈴木貴之は国家資格であるはり師免許、きゅう師免許、柔道整復師免許、心理カウンセラーを取得した資格保有者です。
目次

脳のオーバーヒートについて解説します

だんだんと気温が高くなる夏の時期は熱中症が危険視されています。
しかし、実は体だけでなく脳も熱が溜まることをご存じでしょうか。
気温による影響だけでなく、集中して頭を使う時やストレスがかかる時などに脳が「オーバーヒート」して、のぼせや疲労などを引き起こすことがあります。
今回は「体に熱がこもるときの対処法|脳のオーバーヒート」と題して脳のオーバーヒートの原因や予防法について、自律神経専門の鍼灸師が詳しく解説します。
24時間働き続ける脳は熱が起こりやすい

体を動かすと、全身がポカポカと温かくなるのを感じます。
これは、筋肉が運動によって熱を産生するからです。
しかし、熱を発するのは筋肉だけではありません。
実は体の中で最も活発に動き、最も発熱しやすい部位は「脳」です。
脳は、自律神経を通して、筋肉や臓器など体内のすべての器官の機能を調節する役割を担っています。
この自律神経の働きは生命活動の維持に不可欠なため、休息することなく24時間365日働き続けています。
そのため常に脳は発熱している状態と考えられています。
暑さで脳にも熱がこもると「脳のオーバーヒート」が起こる
自律神経に負荷がかかれば、それだけ脳の発熱量も増えます。
しかも、頭蓋骨の中で大切に守られている脳は、外気にさらして熱を放散させることができません。
特に、視床下部と前帯状回にある自律神経中枢は、鼻腔の奥に位置し、脳の深部に位置します。
そのため積極的に脳の熱を冷ますためには以下の方法くらいしかありません。
・熱中症の応急処置のように首やわきの太い血管を冷やして冷たい血液を循環させる
・鼻から冷たい空気を吸い込む
この対処法発熱が抑えきれないと、頭の中に熱がこもってしまい、脳に疲労が溜まり「オーバーヒート」が起こります。
この状態になるとのぼせ、疲労感、頭痛などが生じます。
脳がオーバーヒートを起こす原因

自律神経の負荷によって脳が疲労してオーバーヒートを起こしてしまう原因は大きく分けて二つあります。
以下の通りです。
夏場の暑さで脳に熱がこもる
一つ目は環境の要因で脳の発熱を抑えられない場合です。
夏場のように暑い時期は体温調節のために自律神経が酷使されやすい環境です。
そのため脳の温度が上がりやすい状態になります。
さらに、コロナ以降の現代では感染予防のためのマスクが手放せない方も多いため、マスクの中で温まった湿気の多い空気を夏場でも吸ってしまいます。
そうなると脳に熱がこもりやすく冷めにくくなります。
これによって脳がオーバーヒートを起こしてしまいます。
自律神経が消耗してオーバーヒートを起こす
二つ目は自律神経と中枢の消耗です。
悩みや不安による精神的なストレス、さらに過労や肉体疲労による身体的なストレスが増すと、自律神経中枢の負荷が大きくなります。
この自律神経と中枢の消耗が激しくなると脳が発熱しやすくなります。
脳は体のすべての器官の動きを司っています。
脳がオーバーヒートして働きが鈍くなると、体内のコントロールが乱れます。
体温だけでなく心拍、呼吸、血圧の調節などがうまくいかなくなれば、体のあらゆる臓器の働きが低下します。
それが頭痛、発熱、だるさ、めまいなど、体に不調を起こします。
その他にも脳のオーバーヒートは集中力の低下にもつながるためパフォーマンスも低下します。
また体を正常な状態に戻そうと、自律神経中枢に負荷がかかり続けることになります。
脳のオーバーヒートが悪化して、さらに脳が疲労するという悪循環も生まれます。
脳の熱を冷ます温度は22~24度

脳のオーバーヒートを予防する上で最も重要なのは、自律神経に負荷をかけすぎないことです。
暑い季節は、とくに脳に合わせた環境づくりを意識しましょう。
脳にとっての最適な温度はご存知でしょうか。
脳の負荷にならずに機能を発揮しやすい「室内環境は22~24度」といわれています。
体感的に「少し涼しい」くらいの温度が理想的です。
脳に合わせて室温を涼しくしよう
電気代の節約を目的とした省エネ推奨温度は28度とされていますが、脳にとっていい環境とはいえません。
室温と作業効率を調べる研究では、気温が25度以上になると、1度上がるごとにパフォーマンスが2%下がるという報告もあります。
日本人は、欧米諸国に比べて筋肉量の少ない人が多く、体が発熱しにくいことから寒がりだといわれています。
特に女性にその傾向が強く、エアコンが苦手だという人も多いようです。
しかし、体に合わせてエアコンの設定温度を上げるよりも、脳に合わせて室温は涼しくしておき、寒さを感じたら着る服を増やして体を温めるようにしたほうが、脳のオーバーヒートは予防できます。
こまめな水分補給も忘れずに
さらに、暑くなり始める6月頃から、脱水症状を起こしやすくなります。
発汗で体から水分や塩分は抜けていても、じっとりとした湿気があるために汗が蒸発せず、喉の渇きを感じにくいので、水分の補給をおろそかにしやすいのです。
その結果、血液の流れが悪くなって体に熱がこもりやすくなり、熱中症や脳梗塞などを引き起こすリスクが高まります。
喉が渇いていなくても、意識的に水分を補給するように心がけましょう。
運動は軽いストレッチや散歩程度で十分

長時間同じ姿勢を続けると、血液の流れが悪くなり、自律神経に負荷がかかるようになります。
脳のオーバーヒートを予防するために1時間に1回程度は動くようにしましょう。
水分をこまめに補給して血液の流れを促進し、いつもよりトイレに行く頻度を上げて立ち上がる機会を増やすことは、脳のためにもいい方法です
特に運動不足を感じている方は注意したいところですが、身体的な疲れを感じるような激しい運動は、自律神経を酷使することになるため、脳のオーバーヒート対策という観点では逆効果です。
運動内容は軽いストレッチや、心臓に負荷がかからない程度の筋トレで十分です。
散歩は気分転換にもなり、脚の筋肉を動かすことで血流が良くなるため、脳に酸素と栄養がきちんと供給され、自律神経のバランスを維持しやすくなります。
食事は鶏むね肉を積極的に摂取する
また食べ物に関しては、鶏むね肉がおすすめです。
疲労を回復するとされる成分イミダペプチド(イミダゾールジペプチド)が豊富に含まれています。
鶏むね肉を100g食べると、イミダペプチドの1日の摂取目安量である200mgを摂取できます。
加齢とともに自律神経の機能は衰える傾向にあるため、年を重ねるほど脳への負荷は増えます。
脳が慢性的にオーバーヒートする状態が続かないように、できるだけ負荷をかけない生活を心がけましょう。
脳のオーバーヒートは鍼灸で改善できる
このような体が熱くなる脳のオーバーヒートを改善させるには東洋医学に基づく鍼灸治療が効果的です。
東洋医学ではこのような脳の機能の低下を改善するには「自律神経の正常化と血流改善」と考えられています。
そのため当院ではこの改善を目的とした一人ひとりの体質に合った効果的なポイントに鍼灸治療を行います。
当院の鍼灸治療は病院の薬物療法やマニュアル通りの治療ではできない柔軟な鍼灸治療で効果を引き出します。
ぜひ、体に熱がこもった不調や脳のオーバーヒートでお悩みの方はご相談ください。
当院で患者様の治療実績はこちらから

実際に当院ご来院になって改善された患者様の声と改善までの経過を報告します。
同じようにつらい思いをされている方の役に立てるのならばと皆さん快く掲載を許可頂きました。
これを読まれている患者様のご参考になれば嬉しく思います。
下記のリンクから別ページでご覧ください。


鍼灸院コモラボ院長
ブログ管理・編集者
【国家資格・所属】
鍼灸あんまマッサージ指圧師、柔道整復師、心理カウンセラー、メンタルトレーナー 治療家歴14年、日本東方医学会会員、脈診臨床研究会会員
神奈川県の鍼灸整骨院にて13年勤務(院長職を務める)
現在、JR三鷹駅北口に自律神経専門の鍼灸院コモラボにて様々な不調の患者様に鍼灸治療を行っている。
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