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熱中症は軽度でも後遺症を残す|熱中症の対策と予防
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公開日:2025年06月11日
更新日:2025年06月11日
このブログを監修している鈴木貴之は国家資格であるはり師免許、きゅう師免許、柔道整復師免許、心理カウンセラーを取得した資格保有者です。
目次

熱中症は重い後遺症を残すため要注意

熱中症は「体温が急上昇して極度の体調不良に陥るが治療を受けて回復して終わり」という病気ではありません。
年によっては全国で千人以上、熱中症で亡くなる年もあります。
そして熱中症はまれではありますが重い後遺症を残すことがあります。
脳を障害し、高次脳機能障害やパーキンソン症候群を引き起こすことも報告されています。
後遺症として起こる障害

後遺症の定義は「原因となる病気が治っているのに障害が残ってしまい、悪い症状が固定してしまう現象」のことをさします。
熱中症の後遺症には次のようなものがあります。
・中枢神経障害
・高次脳機能障害
・嚥下障害
・小脳失調
・失語
・歩行障害
・パーキンソン症候群
Ⅲ度の熱中症のうち1.5%に中枢神経障害の後遺症が残る
昭和大学医学部の研究によると、Ⅲ度の重い熱中症を発症した1,441人の患者さんのうち、22人(1.5%)に中枢神経障害の後遺症が残りました。
中枢神経障害の患者さんと一部重複しますが、高次脳機能障害は15人(1.0%)、嚥下障害は6人(0.4%)、小脳失調2人(0.1%)、失語1人(0.07%)、植物状態が1人でした。
1,441人のうち、死亡せず後遺症も残らなかった人は286人で、わずか19.8%でしかありません。
中枢神経とは脳と脊髄のことで、ここが障害されるとさまざまな「できないこと」が起きます。
熱中症の後遺症で飲み込みづらさが起こる

高次脳機能障害とは、脳が損傷されることで、注意力、記憶力、感情を制御する能力などに問題が生じる状態です。
また嚥下障害とは、食べ物が飲み込めなくなる症状です。
食べ物の飲み込み(嚥下)は、複数の器官が連係して成立します。
その動作を命じる脳が障害されるので、連係作業ができなくなります。
脳卒中を起こしても嚥下障害が起きるのですが、それと同じことが熱中症の後遺症でも起こることがあります。
歩行障害や体のふらつきが起こる
こういった症状を起こす原因には小脳の機能失調が考えられます。
小脳は主に筋肉を制御して体を正しい位置に置いたり、運動をつかさどっています。
そのため小脳失調を引き起こすと、体がふらついたり、歩行障害が起きたり、舌がもつれたりします。
また会話や文章が理解できなくなる失語と呼ばれる障害も起こります。
パーキンソン症候群も、脳の血管に異常が起きて発症します。
症状には、歩行姿勢が不安定になる、よく転倒する、筋肉のこわばりなどがあります。
熱中症の症状の重さについて
熱中症の症状の重さは、Ⅰ度(軽度)、Ⅱ度(中等度)、Ⅲ度(重度)の3段階で評価します。
それぞれの症状は次のとおりです。
Ⅰ度の特徴的な症状
Ⅰ度の特徴的な症状は以下の通りです。
・生あくび
・めまい
・筋肉痛
・こむらがえり
・立ちくらみ
・大量の発汗
Ⅱ度の特徴的な症状
Ⅱ度の特徴的な症状は以下の通りです。
・頭痛
・集中力の低下
・判断力の低下
・嘔吐
・虚脱感
・だるさ
Ⅲ度の特徴的な症状
Ⅲ度の特徴的な症状は以下の通りです。
・意識障害
・全身のけいれん
・体温上昇
Ⅰ~Ⅱ度でも後遺症が残りやすい

後遺症が残りやすいのはⅢ度です。
とくに中枢神経障害の後遺症を残してしまう人は、病院に運ばれたとき重度の意識障害や高体温を起こしていて、体温を下げるのに長い時間を要するという特徴があります。
しかし、Ⅰ~Ⅱ度でも後遺症が残ることがあります。
めまい、立ちくらみ、頭痛、胃腸障害などの自律神経症状が熱中症が治ったあとに後遺症として残ることがあります。
Ⅰ度の段階で迅速に予防と対策を行う

熱中症が一気にⅢ度に行くことはまれです。
普通はⅠ度からⅡ度へ、そしてⅢ度へと段階的に進みます。
ただ、Ⅰ度の段階は症状が生あくび、めまい、筋肉痛などの軽度な異変です。
そのために救急車を呼ぶことがためらわれてしまいます。
しかしⅠ度でも次の処置はすぐに行うようにします。
これがⅢ度に悪化させない最善の予防策です。
「熱中症かも」と思ったときの処置
①涼しい場所に移動する
可能であればクーラーがきいている室内に移動してください。
屋外の場合は日陰に避難してください。
②体温を下げる
服を脱ぎ、風を受けたり、濡れたタオルで体をまいたりしてください。
氷があるとよいのですが、ない場合は冷えたジュースのペットボトルでもよいので、以下の部位に接触させ冷やします。
・足のつけ根
・首のつけ根
・わきの下
この3カ所の皮膚の下には太い血管が流れています。
氷や冷たいペットボトルを押し当てることで冷やされた血液が全身を巡って体温を下げることができます。
③水分と塩分の補給
冷たい水を飲んでください。
大量に汗をかいているときは、スポーツドリンクまたは経口補水液を飲むようにします。
もしそれらの飲み物がなければ、水1リットルに食塩1、2gを溶かして飲んでください。
「危ないかも」と思ったらためらわず救急車を呼ぶ
「危ない」と思ったり、「危ないかも」と思ったりしたらためらわずに救急車を呼んでください。
意識障害や全身けいれんはもちろんですが、吐き気や頭痛の段階で医療機関にかかってもまったくおかしくありません。
医療機関で早めに治療を受ければ、後遺症を残さず回復できる可能性があります。
また炎天下に意識が不確かな人やけいれんしている人をみかけたら、周囲の人と連係して、119番通報したり、その人に声掛けしたりしてください。
熱中症の後遺症は当院の鍼灸治療で改善できる
熱中症の後遺症は自律神経失調症に似た症状であるためクリニックなどでは対処療法として薬物が処方されるのみの治療です。
しかし、薬物療法では根本的な改善に至らないために当院にご来院される方がおられます。
根本的な改善をするためには東洋医学に基づき自律神経の機能を向上させる治療方法が良いと当院では考えております。ぜひ、「病院にいっても薬を処方されるだけで治らない」とお悩みの方は当院の鍼灸治療を受けてみてはいかがでしょうか。
当院で患者様の治療実績はこちらから

実際に当院ご来院になって改善された患者様の声と改善までの経過を報告します。
同じようにつらい思いをされている方の役に立てるのならばと皆さん快く掲載を許可頂きました。
これを読まれている患者様のご参考になれば嬉しく思います。
下記のリンクから別ページでご覧ください。


鍼灸院コモラボ院長
ブログ管理・編集者
【国家資格・所属】
鍼灸あんまマッサージ指圧師、柔道整復師、心理カウンセラー、メンタルトレーナー 治療家歴14年、日本東方医学会会員、脈診臨床研究会会員
神奈川県の鍼灸整骨院にて13年勤務(院長職を務める)
現在、JR三鷹駅北口に自律神経専門の鍼灸院コモラボにて様々な不調の患者様に鍼灸治療を行っている。
【SNS】
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