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ルート治療は危険|ルート鍼治療は止めるべき理由と安全性について
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- 全身のお悩み

公開日:2025年05月22日
更新日:2025年05月22日
このブログを監修している鈴木貴之は国家資格であるはり師免許、きゅう師免許、柔道整復師免許、心理カウンセラーを取得した資格保有者です。
目次

ルート鍼治療は医学的根拠がない危険な治療?

「ルート鍼治療って鍼を身体に沢山刺すんですよね?怖いんですけど。」
「知り合いでルート鍼治療を受けた後、しびれが出たり、逆に気持ち悪くなったりしたって聞きました。」
「以前、ルート鍼治療を一度受けたことがあったのですが、その時痛みが悪化して二度と受けたくないと思いました。」
ルート鍼治療を受けたあとにこのような嫌な体験を受けた方はおられるのではないでしょうか。
鍼灸について何も知らない状態で実際にルート鍼治療受けたことで良い印象が無く不安だけが残ると「鍼灸は嫌い!」となってしまいます。
上記の回答は実際にご来院された患者様で多くの方にご質問いただいたルート鍼治療の感想の一部です。
皆さまの中でも初めてみる鍼灸治療がルート鍼治療だとあまり良いイメージはなく「鍼灸は危なそうで怖い」と敬遠してしまう人も多いと思いのではないでしょうか。
こういった「鍼灸治療に対する危険視」のご質問は鍼灸師という仕事をしていて本当に多く聞きます。
そこで今回は「ルート治療は危険|ルート鍼治療は止めるべき理由と安全性について」と題して白川勇作氏が考案したルート鍼治療の危険性と正しい鍼灸治療の安全性について詳しく解説します。
鍼灸で事故が起こりやすい方法がルート治療

結論からお伝えすると鍼灸治療はしっかり慎重に正しく施術すれば安全です。
しかし、ルート鍼治療は事故につながる危険性が十分にあります。
ルート鍼治療が他の鍼灸治療に比べて事故が起こりやすいリスクは以下のようなものがあります。
・数多く打ち過ぎてしまう
・危険な場所に深く刺してしまう
・必要以上に太い鍼を使用する
一つずつ詳しく解説します。
数多く打ち過ぎてしまう

例えば「肩や首が凝る」という症状の方に良かれと思って首や肩まわりに鍼を必要以上に数多く鍼を刺したとします。
この鍼刺激に対して丈夫な方は平気ですが、繊細な方や体力が弱っている方などは以下のような不調が起こります。
・ふらつき
・貧血
・のぼせ
・頭痛
これは首や肩だけを刺激しすぎたことによって起こる揉み返しのような「鍼当たり」と呼ばれる生体反応です。
このように1か所に集中して刺しすぎるとこのような体調不良が起こります。
白川勇作氏が考案したルート鍼治療の場合、このような生体反応をスピリチュアルなものとして考えますが、そうではありません。
解剖生理学(医学的根拠)としてもこのような生体反応は体にとって良くない反応として考えます。
無理矢理に鍼あたりを起こすことは症状悪化につながるため危険です。
危険な場所に深く刺してしまう

鍼灸治療では深く刺しすぎると最悪内臓や器官を傷つけてしまう恐れがあります。
一番鍼灸治療中の事故として多いのが気胸です。
気胸は肺に穴を開けてしまう状態をさします。
とくに胸まわりや背中、肩や首など、肺の近くに深く鍼を打つと事故につながるリスクが大きくなります。
さらに、奥には大切な血管や神経が通っている場所もあるため、間違って傷つけてしまうと内出血だけでなく神経損傷による痺れが起こることがあります。
必要以上に太い鍼を使う

鍼灸では太い鍼を使用すればそれだけ体を傷つけることになるので体にとって負担が増大します。
またその太い鍼で沢山刺すのであれば上記で解説した「鍼あたり」が起こる可能性も高まります。
またルート鍼治療の場合、太い鍼を使用して「まぶた」を集中して刺すことがあります。
この治療は大変危険です。
実際にこの治療を受けた方で「眼球に鍼が刺さって視力が低下した」という事故(後遺症が残る)も出ております。
※この事故についてはInstagramやX(旧Twitter)では炎上もしておりました。
ルート鍼治療が逸脱している注意事項

鍼灸ではよく以下のようなことを注意事項として教わります。
・深く刺さない
・多く刺さない
・無茶苦茶な鍼はしない
当たり前といえば当たり前なのですがルート鍼治療はこれが守られていません。
なぜそこに鍼を打つのか、明確な理由が無い限りそこに打ってはいけないものです。
それは効果の有無が問題なのではなく、「安全であるかどうか」が重要なのです。
この基本的な基礎がない(医学的根拠がない)状態の鍼灸治療は怪しいスピリチュアルに傾倒しやすく、過剰な治療で事故が起こる可能性があります。
ルート鍼治療は鍼灸治療全体では一つの治療法
鍼灸とひとくくりにしても、ルート鍼治療以外にも多くの治療法や流派があります。
経絡治療、中医学、漢方、古典鍼灸、良導絡…などです。
ちなみに当院は東洋医学の経絡治療と西洋医学を組み合わせた鍼灸治療を行っています。
鍼灸治療全体でみたらルート鍼治療は一つの治療法でしかありません。
ルート鍼治療をみて「鍼灸治療は怖い」と感じたり、ルート鍼治療によって「もう鍼を受けたくない」と感じた方はぜひ他の鍼灸治療を試してみてください。
鍼治療で事故が起きやすい環境

またルート鍼治療も含めてですが鍼灸において事故や後遺症が起きやすい環境というものもあるので解説します。
鍼灸の治療経験が浅い
免許を取りたての若い先生は未熟さから事故が起きやすい傾向にあります。
熱心に勉強し丁寧に治療される方がほとんどなので経験が浅いからという理由だけでは敬遠してほしくないと思います。
しかしどうしてもリスクは少し高くなると思います。
鍼灸の専門学校は高卒以上であれば何歳からでも入学できるため、21歳で免許を取得する方もいれば、脱サラして40代や50代で免許を取られる方もいらっしゃいます。
以前、勉強会で60代の大ベテランの方とペアになったことがありました。
ベテランの方だし胸を借りよう、迷惑かけないようにしようと思ってお話しさせてもらっていると、なんとその方は『学生さん』でした。
とても驚いたことを覚えています。
「見た目は大ベテランだけど、実は若手」という方も少なからずいらっしゃいます。
見た目だけで判断しない方がいいと思います。
鍼灸の技術を極める勉強をしていない
定期的に勉強会に参加したり、治療の軸を複数持って治療にあたられている先生は安心安全だと思います。
しかし技術を極めるための勉強をしたことも無いという方もいらっしゃいます。
ルート鍼治療のように痛い部位や筋肉のこり部分にだけ数多くの鍼を刺して刺激している先生も多くいらっしゃいます。
あまり何も考えずに施術している方はいないと思いますが、ルート鍼治療のように科学的な理論や理屈が無い施術は危険です。
鍼治療の刺激が強い
鍼灸師の性格によるのかもしれませんが、刺激量の強い鍼灸治療をしている治療院は注意が必要です。
「刺激が強いのが好きだ」という体質の方もいるとは思いますが繊細な方は刺激量が強くなればなるほど、治療後に体がしんどくなる可能性が高まります。
ルート鍼治療よりも東洋医学の鍼灸が効果的
実は怖がりで繊細な方ほど鍼灸治療は優しい刺激で十分に効く傾向にあります。
そのためルート鍼治療をみて「鍼灸は怖くて危険」と鍼灸治療を敬遠しするのはもったいないと思います。
繊細な方はルート鍼治療ではなく、東洋医学に基づく優しい鍼灸治療が体質に合っています。
当院は細い鍼で皮膚表面に浅く刺す優しい東洋医学の鍼灸治療行っております。
実際に初めて鍼を受けた方は「こんなもんか。これなら大丈夫。」と安心される方がほとんどです。
身体がつらくて困っているという方は、一度当院の鍼灸治療を受けてみてはいかがでしょうか。。
当院で患者様の治療実績はこちらから

実際に当院ご来院になって改善された患者様の声と改善までの経過を報告します。
同じようにつらい思いをされている方の役に立てるのならばと皆さん快く掲載を許可頂きました。
これを読まれている患者様のご参考になれば嬉しく思います。
下記のリンクから別ページでご覧ください。


鍼灸院コモラボ院長
ブログ管理・編集者
【国家資格・所属】
鍼灸あんまマッサージ指圧師、柔道整復師、心理カウンセラー、メンタルトレーナー 治療家歴14年、日本東方医学会会員、脈診臨床研究会会員
神奈川県の鍼灸整骨院にて13年勤務(院長職を務める)
現在、JR三鷹駅北口に自律神経専門の鍼灸院コモラボにて様々な不調の患者様に鍼灸治療を行っている。
【SNS】
Youtube , Instagram , X(Twitter)
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